Galaxy S21とS20の特徴比較:画面サイズやカメラ機能など、過去モデルとの違いを解説
2021年4月22日に、auからGalaxyシリーズの最新5Gスマホである「Galaxy S21 5G(ギャラクシー エストゥエンティワン ファイブジー)」「Galaxy S21+ 5G(ギャラクシー エストゥエンティワンプラス ファイブジー)」が発売されました。
これらのモデルは、前モデルである「Galaxy S20 5G」「Galaxy S20+ 5G」の後継として位置づけられています。最新のSnapdragon 888 5Gチップセットを搭載し、可変リフレッシュレートにも対応しています。デザイン面でも大きな変化があります。
しかし、最大解像度がフルHD+になり、メモリも8GBになるなど、一部のスペックが変更されています。さらに、microSDカードの対応が廃止され、充電器やイヤホンが同梱されなくなるなど、これまでとは異なる部分もあります。
この記事では、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gを前モデルのGalaxy S20 5G / S20+ 5G、そしてGalaxy S20 Ultra 5Gと比較しながら、変更点や各モデルの特徴を詳しく解説します。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは最新のチップセットを搭載
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、外見だけでなく内部も進化しています。先述の通り、最新のSnapdragon 888 5Gチップセットを搭載しており、Qualcommによれば、Galaxy S20 5G / S20+ 5G、Galaxy S20 Ultra 5Gに搭載されていた「Snapdragon 865 5G」と比較して、CPUの処理性能が25%、グラフィックの性能が35%向上しています。また、AI処理や写真撮影時の画像処理能力も向上しており、これがカメラ機能のアップデートにつながっています。
Galaxy S21シリーズとS20シリーズのチップ比較を行うと、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gはいくつかのスペックが変更されています。Galaxy S20 5G / S20+ 5Gでは12GBだったメモリが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは8GBに減少し、microSD非対応になっています。その代わりに、ストレージが256GBに倍増しています。
画面・本体サイズ比較。Galaxy S21 5G / S21+ 5Gはフラットディスプレイを採用
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gの画面の特徴は、ディスプレイの左右が湾曲していないフラットディスプレイを採用している点です。これまでのGalaxy S20 5G / S20+ 5G、そしてGalaxy S20 Ultra 5Gでは、ディスプレイの側面がわずかに湾曲したエッジディスプレイで、左右のベゼルがほとんど見えない特徴的なデザインでしたが、今回は大きく変更されました。個人の持ち方によっては、指の腹がエッジ部に当たり、誤動作してしまうと感じていた方にとって、今回のフラットディスプレイ化はうれしい変更点と言えるでしょう。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、デザインだけでなくディスプレイの仕様そのものも変更されています。従来のGalaxy S20 5G / S20+ 5G、Galaxy S20 Ultra 5Gと同様に、リフレッシュレート120Hzに対応する有機ELディスプレイ「Dynamic AMOLED」を採用していますが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは48Hzから120Hzまでの「可変リフレッシュレート」に対応しています。
リフレッシュレートは1秒間に画面を何回書き換えるかを表すもので、リフレッシュレートが120Hzならば1秒間に120回画面を書き換えています。当然、リフレッシュレートが高いほど滑らかな表示になりますが、その代わりにバッテリーの消費も増えてしまいます。
Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gでは、60Hzか120Hzの2択でしたが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは表示している内容に応じてリフレッシュレートを自動的に調整することができるようになり、それによってバッテリーの消費を抑えることができます。また、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでもリフレッシュレートを60Hzに固定することも可能です。使い方によっては、こちらの方が省電力になる場合もあるでしょう。
この可変リフレッシュレートの採用に伴い、ディスプレイ解像度はGalaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gの3,200×1,440ピクセル(クアッドHD+)から2,400×1,080ピクセル(フルHD+)に変更されています。しかし、Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gでもリフレッシュレート120Hzを選択すると、解像度がフルHD+に制限されていたため、その意味では大きく変わっていないと言えそうです。
その他、ディスプレイの保護ガラスも変更され、最新の「Gorilla Glass Victus」が採用されています。Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gの「Gorilla Glass 6」と比較して、傷が付きにくくなった2倍の強度を持ち、落下に対する耐性もGorilla Glass 6の1.6mから2mに向上しました。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、Galaxy S20 5G / S20+ 5Gから画面サイズや高さは変わっていませんが、本体の横幅がGalaxy S21 5G、Galaxy S21+ 5Gともに2mm増加しています。これは、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gがフラットディスプレイを採用したためと考えられます。なお、厚みに関してはGalaxy S21+ 5GはGalaxy S20+ 5Gと変わらず最厚部で9.1mmですが、Galaxy S21 5GはGalaxy S20 5Gの9.2mmよりも0.2mm薄い9.0mmとなりました。
実機を触ってみたところ、重さについてはそれぞれ8gと14g増加していますが、横幅、厚みとあわせても、Galaxy S20 5G / S20+ 5Gとの違いはそこまで感じられませんでした。
背面カメラはトリプル構成。新機能「ディレクターズビュー」に対応
Galaxy Sシリーズは、高いカメラ性能で知られていますが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gもその伝統を受け継いでいます。
まず、ハードウェアの仕様ですが、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gの背面カメラは、Galaxy S20 5Gと同様の6,400万画素の望遠、1,200万画素の広角、1,200万画素の超広角のトリプルカメラを搭載しています。Galaxy S20+ 5Gではこの仕様に加えて深度測位用のToFカメラもありましたが、Galaxy S21+ 5Gでは省かれ、Galaxy S21 5Gとの仕様差がなくなりました。
望遠の光学性能は3倍で、デジタルズームを併用することで最大30倍のスペースズームに対応します。4,800万画素の望遠レンズで最大100倍ズームに対応するGalaxy S20 Ultra 5Gと比較すると、数値的には見劣りしますが、実用的な範囲では遜色ない写真を撮影できます。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gのソフトウェア部分では、大きな進化があります。まず、「シングルテイク」がアップデートされています。シングルテイクは、シャッターを一度押すだけで最大15秒の動画を撮影し、その後にAIが自動生成する静止画や動画を提供します。特徴的なシーンを抽出してくれるので、どう撮影すればいいか迷う場合でも気軽に撮影を行えます。この機能のシーン判別やオブジェクト認識が向上し、新たな効果も追加されました。
動画撮影では、「ディレクターズビュー」が新たに追加されました。すべてのカメラの映像をサムネイルでプレビュー表示し、タップするだけで使用するカメラを切り替えられるため、スムーズなアングルチェンジが可能です。また、「デュアルレコーディング」も搭載され、背景の動画と一緒に撮影者の表情を記録できます。さまざまな場面で活用できるでしょう。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは引き続き8K動画の撮影に対応しており、動画から静止画を切り出す「8Kビデオスナップ」も利用できます。日常の何気ない瞬間を写真として残すのにも最適です。
Galaxy S21+ 5Gはバッテリー容量を増量
Galaxy S21 5Gのバッテリー容量は4,000mAhでGalaxy S20 5Gと同じですが、Galaxy S21+ 5Gは4,800mAhとなり、Galaxy S20+ 5Gより300mAh増量されました。電池持ち時間としては、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gはともにやや減少していますが、Galaxy S21 5Gは5Gエリアで約85時間、Galaxy S21+ 5Gは5Gエリアで約100時間の使用が可能です。
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gのそのほかの仕様としては、おサイフケータイ®(EZ FeliCa)が利用可能です。Galaxy S20 5G / S20+ 5Gもおサイフケータイ®(EZ FeliCa)に対応していましたが、Galaxy S20 Ultra 5Gは非対応でした。
防水防塵性能もIP65/68相当で共通しており、キッチンなどの水回りでも安心して利用できます。また、ハイレゾ再生、Dolby Atmos対応も共通していますが、ハイレゾ再生には対応のヘッドホンなどが必要です。生体認証も各モデル共通して指紋/顔での認証となっており、指紋センサは画面下に搭載されています。
また、Galaxy S21 5G / S21+ 5Gでは、これまで同梱されていた充電器とイヤホンがなくなっています。
ワイヤレス充電は「Fast Wireless Charging 2.0」に対応しており、純正のワイヤレスチャージャーデュオパッドや10W以上のワイヤレス充電をサポートする充電台で利用できます。さらに、「Galaxy Buds Pro」などのアクセサリーや、qi対応のスマートフォンを充電できる「ワイヤレスパワーシェア」にも対応しています。
魅力的な進化を遂げた「Galaxy S21 5G / S21+ 5G」
Galaxy S21 5G / S21+ 5Gは、Galaxy S20 5G / S20+ 5G / S20 Ultra 5Gと比べると一部でスペックが変更されている部分もありますが、プロセッサの処理性能アップやカメラ機能の強化など、魅力的な進化を遂げています。この記事を参考に、ぜひお気に入りのモデルを選んでください。