OCNモバイルONEでの利用方法や条件、注意点をまとめて解説
2022年2月25日から、ドコモ回線を利用するMVNO(格安SIM)のOCNモバイルONEでは、5G回線が利用できるようになりました。これにより、OCNモバイルONEの利用者も高速で快適な5G回線を利用することが可能となります。
OCNモバイルONEの利用者の中には、「5Gを利用したいがその方法がわからない」と悩んでいる方もいるかもしれません。また、現在利用している4Gとは何が違うのかも、気になるポイントかもしれません。
この記事では、OCNモバイルONEで5Gを利用するための利用方法や条件、費用や利用する際の注意点などについて詳しく解説します。具体的には、5G対応端末の必要性、プランの変更手続き、追加料金の有無、5Gのカバーエリア、そして利用時の注意点などをカバーしています。
OCNモバイルONEで5Gの利用を検討している方は、この記事を最後まで読んで参考にしてください。これにより、5G回線をスムーズに利用できるようになり、さらに快適なインターネット環境を手に入れることができるでしょう。
OCNモバイルONEの5Gオプションを利用する条件
OCNモバイルONEで5Gを利用するためには、5G対応端末と音声対応SIMを利用し、OCNマイページから5Gオプションに申し込む必要があります。 ここでは、各条件について詳しく見ていきましょう。
端末が対応していること
OCNモバイルONEで5G回線を利用するには、5G対応端末(スマートフォンなど)が必要です。
3G、4G、5Gなどの回線は「移動通信システム」と呼ばれ、それぞれ第3世代、第4世代、第5世代を意味します。移動通信システムは電波を使って通信を行うため、各世代で使用される周波数帯が異なります。
スマートフォンなどの端末ごとに対応している周波数帯も異なるため、5G対応端末でないと5G回線には接続できません。これは、5G非対応端末が5G基地局からの周波数帯を受信できないためです。
したがって、OCNモバイルONEで5G回線を利用するには、端末が5Gの周波数帯に対応していることが必要です。
音声対応SIMを利用していること
OCNモバイルONEでは、利用範囲に応じて3種類のSIMがあります。
- 音声対応SIM:通話、SMS、インターネットが利用可能
- SMS対応SIM:SMSとインターネットが利用可能
- データ通信専用SIM:インターネットのみが利用可能
この中で、5Gオプションに申し込めるのは「音声対応SIM」のみです。SMS対応SIMやデータ通信専用SIMを利用している場合、5G回線を利用することはできません。
OCNモバイルONEの5Gオプションを利用するには、必ず音声対応SIMを選びましょう。
端末が5Gオプションを利用可能か確認する方法
先述のとおり、端末によって5Gの利用可否は異なるため、5Gオプションに申し込む前に端末が5Gに対応しているか確認する必要があります。5G対応端末については、OCNモバイルONEの動作確認済み端末一覧で簡単に確認できます。
この一覧では、公式に動作確認が行なわれた端末が表形式で掲載されています。現在利用中の端末を探し、「5G通信」の欄に○がついていれば、5G通信を利用できます。
OCNモバイルONEの4Gと5Gの違い
5Gの3つの特徴
5G(第5世代移動通信システム)は、4G(第4世代移動通信システム)に代わる新しい移動通信システムです。5Gには次の3つの主要な特徴があり、今後の通信インフラを大きく変える存在として注目されています。
- 高速・大容量
- 高信頼・低遅延
- 多数同時接続
端的にいえば、5Gは4Gに比べて非常に高速で遅延が少なく、より多くの接続が可能です。
5Gの理論値は以下のとおりです。
- 通信速度:4Gの20倍
- 遅延:4Gの1/10
- 同時接続数:4Gの10倍
これらの特徴から、5Gはスマートフォンをはじめとする小型端末やIoT(モノのインターネット)での活用が特に期待されており、今後の通信環境を大きく変える可能性があります。
最大通信速度
理論上の最大通信速度は、5Gが20Gbps、4Gが1Gbpsです。OCNモバイルONEはドコモのMVNOであり、その通信速度などはドコモの回線状況を参考にできます。
ドコモの5Gサービス「瞬速5G」の最大通信速度は4.9Gbpsに対応しています。したがって、OCNモバイルONEでも5Gオプションを利用することで、同等の通信速度を実現できると言えます。
2023年1月時点では、ドコモの5Gは最大通信速度である20Gbpsにはまだ到達していませんが、4Gの1Gbpsと比べると約5倍の通信速度を実現可能です。
周波数帯(バンド)
4Gと5Gでは、利用される周波数帯(バンド)が異なります。周波数帯はキャリアによっても異なり、OCNモバイルONEはドコモと同じ周波数帯を利用しています。ドコモで利用されている周波数帯は、次のとおりです。
4G(LTE):
- バンド1
- バンド3
- バンド19
- バンド21
- バンド28
- バンド42
5G:
- バンド28
- バンド78
- バンド79
- バンド257
このように、4Gと5Gでは利用される周波数帯が異なります。そのため、端末が5Gで利用する周波数帯をキャッチできなければ、5G回線を利用することはできません。
OCNモバイルONEの5G対応エリア
5G回線を利用するためには、5G対応エリア内で端末を使用する必要があります。
OCNモバイルONEの5G対応エリアはドコモと同じです。そのため、OCNモバイルONEの5G対応エリアは、ドコモの通信・エリアマップで確認できます。
ドコモの通信エリアは、住所や都道府県を入力・選択すると、地図上で調べられます。5Gのエリアを確認したい場合は、住所を入力するか都道府県を選択してエリアマップを開き、「エリアマップ種別」で5Gを選択してください。
凡例に従って紫、赤、オレンジなどで色分けされており、地図上で該当の色に塗りつぶされている場所が5Gの利用可能エリアです。特に東京近郊をはじめとする主要都市部では、5Gが利用できる場所が多くなっています。
OCNモバイルONEの5Gを利用する際の注意点
OCNモバイルONEで5Gを利用する際には、いくつか覚えておくべき注意点があります。実際に利用する前に、これらの注意点について理解を深めておきましょう。
必ずしも通信速度が向上するとは限らない
5Gは4Gに比べて非常に高速な通信を実現できますが、必ずしも通信速度が向上するとは限りません。
通信速度は電波の受信状況や回線の混雑状況に大きく影響されるため、5G回線を利用しても回線が混雑している場合、4Gと大差ない通信速度になることがあります。また、5Gの提供が始まったのは2020年からであり、通信環境の整備が完全に整っているわけではありません。
とはいえ、通信環境が整えば回線の混雑も緩和されると考えられるため、今からでも5Gオプションを利用する価値は高いといえます。
現在、ドコモ5Gの最大通信速度は4.9Gbpsですが、今後通信速度は徐々に5Gの理論値である最大通信速度20Gbpsに近づくことが期待されています。
データ容量プランは10GBが上限
OCNモバイルONEのデータ容量プランは、最大で10GBです。5Gによって通信速度が向上しても、データ容量の使いすぎには注意が必要です。特に、通信量を多く消費するゲームや動画などを利用しすぎると、上限を超えて速度制限がかかる可能性があります。
通信速度の向上により、大量のデータを消費しても気付きにくくなる可能性があるため、この点には十分注意してください。
データ容量の使いすぎには注意が必要ですが、OCNモバイルONEでは速度制限がかかっても快適に利用するための機能が備わっています。
OCNモバイルONEの「バースト転送機能」は、速度制限時でも一定の通信容量まで高速通信を利用できる便利な機能です。この機能をうまく活用すれば、速度制限時でもSNSなど比較的データ量の少ないサービスは快適に利用できます。
また、「容量追加オプション」では、データ容量を追加できます。容量追加オプションはOCNのアプリやマイページから簡単に申し込め、即座に追加されて速度制限を解除できるので安心です。
3Gは利用できない
OCNモバイルONEでは、3G、4G、5Gの各通信規格を利用できますが、5Gオプションに申し込むと3G専用端末で3G通信が利用できなくなります。5Gオプションに申し込んだ場合、5G対応端末では5Gと4Gが利用でき、4G対応端末では4Gのみを利用できます。
OCNモバイルONEで5Gオプションを利用する際には、3Gが使えなくなる点に注意が必要です。特に3G専用端末を利用している場合、通信ができなくなった場合には、5Gオプションの設定有無を確認してみてください。
このように、5Gオプションを利用する場合は、端末の対応状況と利用可能な通信規格をしっかりと確認することが重要です。
5Gのエリアは狭い(2023年1月時点)
主要都市部では5Gを利用できる場所が多くありますが、全国各地で利用できる4Gに比べると、対応エリアはまだ狭いといえます。
現時点では5Gのエリアは狭いものの、4Gが全国各地で利用できるようになったことから、今後5Gも同様に全国各地で利用できるようになると予想されます。
前述したOCNモバイルONEで5Gオプションを利用するための3つの条件(5G対応端末、5G対応SIM、5G対応エリア)と併せて、自分の居住地が5Gの対応エリアかどうかを必ず事前に確認しましょう。
まとめ
OCNモバイルONEで5Gを利用するためには、5G対応端末と音声対応SIMを使用し、さらに5Gオプションに申し込む必要があります。
主要都市部では5Gを利用できる場所が多いものの、全国各地で利用できる4Gに比べると対応エリアはまだ狭いです。そのため、自分の居住地が5G対応エリアかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
OCNモバイルONEで5Gを利用する際の注意点には、以下が挙げられます:
- 必ずしも通信速度が向上するとは限らない:通信速度は電波の受信状況や回線の混雑状況に影響されます。
- データ容量の使いすぎに注意:通信速度が向上すると、大量のデータを消費しても気づきにくくなります。
- 3Gは利用できない:5Gオプションに申し込むと、3G専用端末では通信ができなくなります。
5Gは4Gに代わる次世代の通信技術として、今後の生活に大きな影響を与える重要な存在です。この機会に、ぜひOCNモバイルONEで5G通信を利用してみてはいかがでしょうか。