ミドルレンジスマホの選び方

近年、スマートフォンの価格はどんどん上昇しており、毎年発売されるiPhoneの新モデルが10万円を超えるのが当たり前になっています。
しかし、「動画が見れればいい」、「SNSやLINEができればいい」、「そこそこのカメラ性能で十分」と考え、少しでも安く済ませたいという方もいるでしょう。
そんな方におすすめなのが、ミドルレンジクラスのスマートフォンです。
ミドルレンジスマホとは、格安スマホ(ローエンドスマホ)とハイエンドスマホの中間くらいのスペックを持ち、日常使いには十分ながら価格は抑えられている、いいとこ取りのスマートフォンです。
そこで今回は、ミドルレンジスマホのおすすめの選び方についてまとめました。スマホ選びの参考にしていただければ幸いです。
ミドルレンジスマホとは?
ミドルレンジスマホとは、一言で言うと、性能がありながらも価格を抑えたスマートフォンです。
搭載されているチップの性能はハイエンドスマホに見劣りしないものの、価格は5万円〜10万円程度のものがほとんどです。
例えば、iPhone SE(第3世代)にはiPhone 13 Proにも使用されている「A15 Bionic」チップが搭載されており、Google Pixel 8aにはGoogle Pixel 8 Proにも使用されている「Google Tensor G3」が搭載されています。
格安スマホ(ローエンドスマホ)とは異なり、チップ性能が優れているため、日常使用でも動作が遅くてイライラすることがなく、ゲームも快適に楽しむことができます。
一方で、ハイエンドスマホと比べると、カメラ性能や音響性能が劣る点が挙げられます。
例えば、ズームレンズを使って写真を撮りたい、ハイレゾ音源で音楽を楽しみたいという方には、ハイエンドスマホが向いています。
ミドルレンジスマホの選び方
ミドルレンジスマホについて簡単にご理解いただけたかと思います。
しかし、ミドルレンジスマホと一言で言っても、性能やできることは機種やメーカーによってさまざまです。
そこで、ミドルレンジスマホを選ぶ際のポイントを項目ごとにピックアップして説明します。
OSで選ぶ
まず、ミドルレンジスマホを選ぶ上で決めなければならないのが、iPhone(iOS)にするか、Androidスマホにするかという点です。
iPhoneを選ぶ場合、ミドルレンジクラスではiPhone SE(第3世代)一択となりますが、Androidを選ぶ場合は、機能や価格などの選択肢が広がります。
これまで使用していたスマートフォンがiPhoneで、Apple製品との連携を考慮して引き続きiPhoneを選ぶのか、iPhoneにはないフルスクリーンディスプレイやハイレゾ対応といった点でAndroidを選ぶのか、それぞれのメリットを考えて選ぶと良いでしょう。
チップ(SoC)で選ぶ
スマートフォンの性能を左右する重要な要素が、SoC(System on a Chip)です。
iPhoneの場合、「A◯ Bionic」、Androidの場合、「Snapdragon ◯」と表記されており、どちらも◯の部分の数値が高いほど性能が良いモデルになります。
また、Google Pixelには独自のSoCである「Google Tensor」チップが搭載されている場合もあります。
価格を抑えるために旧世代のSoCを選んでしまうと、利用するアプリのスペックに対応できず、動作がもっさりしたり、オンラインゲームが快適に遊べなくなることがあります。
特に、3Dゲームなどの高負荷がかかるアプリを使用する方は、8コア、2.5GHz以上のCPUを選ぶと安心です。スマートフォンを選ぶ際には、CPUのコア数やクロック周波数を確認すると良いでしょう。
カメラ性能で選ぶ
スマートフォンに求める機能として、カメラ性能も重要なポイントです。
SNSへの投稿など、スマートフォンで写真を撮ることをメインに考えている場合は、超広角や望遠レンズを搭載したスマートフォンを選ぶと良いでしょう。
ただし、ハイエンドスマホとの差別化のために、ミドルレンジスマホではメインカメラのみだったり、画素数が下がったモデルもあるので注意が必要です。
また、カメラの数や画素数だけでなく、ズームの倍率や手ぶれ補正の有無も写真撮影には重要な要素です。これらの機能も確認して選ぶと、より満足のいくスマートフォンを見つけることができます。
ディスプレイで選ぶ
近年のスマートフォンでは、LEDを採用した高精細かつ明るいディスプレイを搭載したモデルが増えています。
動画視聴やオープンワールド系のゲーム利用など、高精細な画面だと一段と美しく見えます。
ただし、LEDディスプレイに対応したモデル以外にも選ぶポイントがいくつかありますので紹介します。
ディスプレイサイズ
ディスプレイサイズで選ぶのも一つの方法です。
スマートフォンの画面サイズはインチ数で表され、大きいものでは6インチ以上、小さいものでは4.5インチほどの大きさから選ぶことができます。
ディスプレイサイズが大きいと、動画視聴やゲームの迫力が増しますが、携帯性や片手で持ったときの持ちやすさが犠牲になることがあります。
迫力を優先するのか、携帯性を優先するのか、自分の使用スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
リフレッシュレート
高リフレッシュレートのディスプレイを選ぶと、画面操作が滑らかで快適になります。
Twitterやウェブページなど、縦スクロールを多用する場面では、高リフレッシュレートのディスプレイにより視認性が向上し、目の疲れを軽減できます。
ただし、高リフレッシュレートのディスプレイは電池の消耗も激しくなるため、可変式のモデルを選ぶか、自分でリフレッシュレートを調整できるものを選ぶと良いでしょう。
解像度
スマートフォンで動画視聴をよくされる方は、高解像度のモデルを選ぶと良いです。
Full HD以上の解像度のモデルでは、YouTubeなどの動画をHD画質でも美しく視聴することができます。
また、解像度だけでなく、ppi(Pixel Per Inch)にも注目してください。
ppiは1インチあたりの画素密度を示し、同じ解像度でもこの数値が高いほど、画面がより高精細に映ります。
生体認証
スマートフォンは毎日使うものなので、生体認証に対応したモデルを選ぶと良いです。
ミドルレンジスマホの多くは指紋認証に対応しており、一部では顔認証と指紋認証の両方に対応したモデルもあります。
指紋認証にはディスプレイ内やボタン一体型などがあり、ボタン一体型の場合、側面や背面に位置することで利便性が異なります。
例えば、スマホをよく机に置いて操作する場合、ボタン一体型ではスマホを持ち上げる必要があり、両手での解除が不便なことがあります。
数年間の使用で何万回も解除することを考えると、この選択は重要なポイントです。
ストレージ
撮影した写真の保存、音楽や動画のオフライン保存など、ストレージ容量は重要なポイントです。
ミドルレンジスマホでは一般的に128GBモデルが主流で、Micro SDカードなどで後から容量を追加できるモデルもあります。
近年はストリーミングサービスやクラウドサービスの普及により、ストレージ容量をあまり必要としない傾向もありますが、数年間使用することを考えると最低でも128GB以上の容量があると安心です。
バッテリー性能と充電速度
ミドルレンジスマホの多くは、4,000mAh以上の大容量バッテリーを搭載しています。
この容量があれば、1日中外出していても電池切れの心配はあまりありません。
また、バッテリー容量と同様に充電速度も重要です。
大容量のバッテリーを持っていても、充電速度が遅ければ満充電になるまで時間がかかります。
充電速度はW数で表され、急速充電に対応したモデルもありますので、選ぶ際に確認すると良いでしょう。
防水性能
急な雨やお風呂場での使用など、防水性能も重要なポイントです。
防水性能は「IP◯◯」や「IPX◯」と表記され、数字が高いほど防水性能が高くなります。
例えば、「IP67」の場合、6が防塵の等級を表し、7が防水の等級を表します。
防水の性能は1から8までの等級で定められており、「IPX4」以上のモデルであれば水滴程度なら問題ありません。
水没のリスクを考慮する場合は、「IPX6」以上のモデルを選ぶと安心です。
おサイフケータイ対応
近年、キャッシュレス化が進み、スマートフォン一つで外出することも増えていますね。
iPhoneやおサイフケータイに対応したAndroidスマホでは、Suicaやnanaco、WAONなどの電子決済をはじめ、iDやQUICPayなどの決済サービスも利用可能です。
一方で、iPhoneからAndroidに乗り換えを検討している場合は、Apple Payと比較しておサイフケータイに対応しているクレジットカードが限られていることがありますので、自分の使用したいサービスやクレジットカードが利用可能かどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。
SIM(キャリア)で選ぶ
ドルレンジスマホを購入する方の中には、価格を抑えたいと考える方も多いでしょう。
そんな方には「格安SIM」がおすすめです。
大手キャリア以外でも、ミドルレンジスマホを取り扱っているキャリアが多数ありますので、使用できるキャリアを考慮して選ぶのも良いでしょう。
また、「SIMフリー」版のスマートフォンであれば、キャリアに依存せず自由に使用することができますので、SIMフリー版を検討してみるのも良いかもしれません。
重量や大きさ
家でも外出先でも毎日使うスマートフォンは、重量や大きさも重要な要素です。
本記事で紹介した中で最軽量なスマートフォンは、iPhone SE(第3世代)で144gです。
小さくて軽量なスマートフォンを好む方は、重量や大きさにも注意して選ぶと良いでしょう。